イオン
【よみ】いおん
イオンとは、電子の過剰や欠損により電荷を帯びた原子、または分子のことをいいます。原子や分子が電気的に中性の状態の時に、1個または複数の電子を放出するか取り込むかによって発生します。
電子を放出して正の電荷を帯びた原子を陽イオン、電子を取り込んで負の電荷を帯びた原子を陰イオンといい、それぞれ原子記号の右上に小さくプラスやマイナスが表記されています。(例:H+, OH-)
陽イオンと陰イオンは、互いに引き寄せ合って結びつきやすい性質を持ち、イオン結合によって化合物になります。特に、陽イオンのNa+と陰イオンのCl-が結合した塩化ナトリウムは、最も身近に見られる例として食用の食塩に含まれています。
電池においても、イオンの働きがとても重要になります。異なる2種類の金属と電解液を組み合わすことで生じる化学反応を利用し、電気を取り出しています。 この際、イオン化傾向(イオンへのなりやすさ)の大きい金属がマイナス極、小さい金属がプラス極となり、イオン化傾向の差が大きいほど電圧が大きくなるという仕組みになります。
リチウムイオン電池の場合、リチウムイオン(Li+)が電解液を介してプラス極とマイナス極の間を行き来することで充放電されるという仕組みになります。