太陽光発電で大切な2つの監視
太陽光発電の監視には、2つの意味合いがあります。
まず1つ目は、発電量を監視すること。住宅用太陽光発電ではカラーモニタがそれにあたりますが、 最近ではクラウドシステムを通じて外出先でもパソコンやスマホから自宅の発電量が確認できる遠隔監視システムが主流になってきています。
メガソーラーなどの産業用太陽光発電では、発電量の監視は特に重要です。 日々の発電量を把握しないでいたために、気が付いたら全く発電していないまま長期間放置されていたという例も少なくありません。 例えば地域で停電が起きた時にパワーコンディショナが停止してしまうということがありますが、しっかりと監視を行ってさえいれば早期発見・早期復旧させることが可能です。
そして2つ目は、盗難やいたずら被害を防止するための監視。 特に野立て発電やメガソーラーといったフィールド設置の大規模な発電所に多いのですが、 人気の少ない地域では盗難やいたずら被害を受けやすく、場合によっては相当な損害を被ることがあります。 メガソーラーは基本的に20年間以上の運用をしていくわけですので、その間は常に盗難やいたずら被害のリスクを抱えることになります。 最近では、こうした被害を未然に防ぎ、状況証拠を把握する目的で、発電所内に監視カメラや警報装置を設置するケースが増えてきました。
遠隔監視システムで発電量を監視
最近では、日々の発電量を監視するシステムがたくさん登場しています。
住宅用太陽光発電において、今ではカラーモニタよりもクラウド型の監視システムを採用しているメーカーも少なくありません。 広い世代に普及したスマートフォンを活用したシステムの人気が高く、今や発電量を外出先でチェックすることが当たり前の時代となりました。
また、IoTやスマート家電といったキーワードにも見られるように、家電製品が通信機能を持ち、ライフスタイルに応じてエネルギーの消費を制御する技術も進んでいます。
全量買取制の太陽光発電システムでは、より監視システムのニーズが高くなります。 全量買取に対応した遠隔監視システムは大きく低圧向けと高圧向けに分かれており、仕様や導入費用もさまざまです。 売電収入を目的とした発電事業では、発電量が低下した原因の究明が最も大切。 設置後の運営次第でトータル収益が大きく変わってしまうので、しっかり管理しなければなりません。
全量買取制に対応したクラウド型遠隔監視システムのひとつに、オムロンフィールドエンジニアリングの「ソラモニ」があります。 このサービスは、遠隔監視情報システムと保守サービスが組み合わさっており、太陽光発電システムの発電状態やシステムの状況を監視・保守するというもの。 太陽光発電システムに障害が発生すると、インターネット経由による遠隔監視情報システムが異常を感知し、オムロンの全国の保守拠点から迅速な保守対応が実行されます。 また、対象となる太陽光発電システムの構成機器も、あらゆるメーカーのものに対応しており、クラウドサービスなのでスムーズに導入できるよう配慮されています。
遠隔監視システムで発電量を監視
もっとも多く寄せられる被害のひとつが、ケーブル類の盗難です。 フィールド設置では、太陽光パネルの盗難や設備へのいたずらだけでなく、 銅線の入ったケーブル類が盗まれるケースが全国的に非常に多く、厳重な防犯対策が必要となっています。
特に大型発電所になると、扱われている部材の数が多く、被害額も高額になる傾向があります。 一度盗難被害にあった発電所では再犯の被害を受ける可能性も高く、盗難による損失の発生や売電収入の低下を免れないため、 あらかじめ防犯対策や保険への加入、被害発生時の対応について取り決めておかなければなりません。
警備会社のALSOKでは、メガソーラー発電事業者向けにリスクコンサルティングサービスが提供されています。 これまで同社では、防犯カメラや異常発生時にガードマンが駆けつける機械警備システムなどのサービスを提供していました。 さらなるリスクに備え、ALSOKの警備システムを導入済または導入予定で、 ヒアリングシートへの回答内容が所定の条件を満たしたメガソーラー事業者を対象に、安全証明書を発行するサービスが開始されたのです。 これにより、メガソーラー事業者は、自社のメガソーラー事業における火災や盗難リスクの概要を把握することが可能となりました。 同社は他にも先進的な取り組みを行っており、ドローンによる空撮機能で太陽光パネルの異常を検知するような保守サービスも提供しています。
売電収入を目的とした太陽光発電は、決してメーカーによる保証が充実しているとはいえません。 予測不能な数々のリスクに対してあらかじめ対策を立て、正常稼動に向けて主体的に取り組んでいくことが重要です。